日本人の平均寿命は80歳を超え、世界にさきがけ高齢社会を迎えています。
これに伴い、運動器の障害も増加しています。入院して治療が必要となる運動器の障害は、50歳以降に多発しているのが現状です。
当院では、症状の現れる50歳以降ではなく、30代、40代から運動器の健康に関心を持っていただき、より早い段階からロコモ対策へのサポートを進めていきたいと考えています。
LOCOMOTIVE SYNDROME
運動習慣のない生活を続けていると、徐々に運動器が衰えてしまいます。
活動量を減少させる一因となるエレベーターや自動車の使い過ぎに注意!出来る限り自分の足で歩くことを心がけましょう。
関節はとてもデリケートにできています。スポーツで酷使したり正しいフォームで行わなかったり、思いがけないケガをしたりすると、大きなダメージを負ってしまうことがあります。
やせすぎると、身体を支える骨や筋肉がどんどん弱くなります。肥満は腰や膝の関節に大きな負担をかけます。関節軟骨は一度すり減ると、修復が難しい部分です。
「腰が痛い」「膝が痛い」その痛み、「年のせいだから」と放っていませんか?運動器の衰えはひそかに進行します。中には、重篤な病気が隠れている可能性もあります。
上記の要因が積み重なると、ロコモティブシンドローム(運動症候群)になってしまいます。
片足立ちで靴下が
はけない
家の中でつまずいたり、
すべったりする
階段を上がるのに
手すりが必要
家のやや重い仕事が困難
2㎏程度の買い物をして
持ち帰るのが困難
15分くらい続けて
歩くことができない
横断歩道を青信号で
渡り切れない
1つでもあてはまった
あなたはロコモ予備軍です。
ロコモ対策はお早めに!
(1)10・20・30・40cmの台を用意します。
まず40cmの台に両腕を組んで腰かけます。このとき両脚は肩幅くらいに広げ、床に対して脛がおよそ70°(40cmの台の場合)になるようにして、反動をつけずに立ち上がり、そのまま3秒間保持します。
(2)40cmの台から両脚で立ち上がれたら、片脚でテストをします。(1)の姿勢に戻り、左右どちらかの脚を上げます。
この時上げた方の脚の膝は軽く曲げます。反動をつけずに立ち上がり、そのまま3秒保持してください。
(3) (2)の片脚での立ち上がりに成功
左右ともに片脚で立ち上がることができれば成功です。10cmずつ低い台に移り、同様にテストを繰り返します。
(2)の片脚での立ち上がりに失敗
左右どちらかの脚で立ち上がることができなければ失敗となります。
次に10cmずつ低い台に移り、両脚で立ち上がれるかを測ります。
● テストにおける注意点
・無理をしないよう気を付けましょう。
・テスト中、ひざに痛みが起きそうな場合は中止してください。
・反動をつけると後方に転倒する恐れがあります。
※各年代の50%の方が実施可能であった高さを示しています。
男性 | 女性 | |||
---|---|---|---|---|
20~29歳 | 片脚 | 20cm | 片脚 | 30cm |
30~39歳 | 片脚 | 30cm | 片脚 | 40cm |
40~49歳 | 片脚 | 40cm | 片脚 | 40cm |
50~59歳 | 片脚 | 40cm | 片脚 | 40cm |
60~69歳 | 片脚 | 40cm | 片脚 | 40cm |
70歳以上 | 両脚 | 10cm | 両脚 | 10cm |
ロコモ チャレンジ!推進協議会ロコモ度テストワーキンググループ調査資料
(1)スタートラインを決め、両足のつま先を合わせます。
(2)できる限り大股で2歩歩き、両足を揃えます。
※バランスをくずした場合は失敗です。
(3)2歩分の歩幅(最初に立ったラインから、着地点のつま先まで)を測ります。
(4)2回行って、良かった方の記録を採用します。
(5)次の計算式で2ステップ値を算出します。
● テストにおける注意点
・介助者のもとで行いましょう。
・滑りにくい床で行いましょう。
・できるだけ靴を履いて行ってください。
・準備運動をしてから行いましょう。
・バランスを崩さない範囲で行いましょう。
・ジャンプしてはいけません。
※「明らかな運動器疾患を持たない方」の年代平均値です。
ロコモ チャレンジ!推進協議会ロコモ度テストワーキンググループ調査資料
●動作中は息を止めないようにします。
●膝に負担がかかり過ぎないように、膝は90度以上曲げないようにします。
●太ももの前や後ろの筋肉にしっかり力が入っているか、意識しながらゆっくり行いましょう。
●支えが必要な人は、十分注意して机に手をついて行います。