
最近のこどもたちの運動器は運動不足による体力・運動能力の低下とスポーツのやり過ぎによる障害という二極化した問題に直面しています。
外遊びをせずゲームやスマホばかりしていると姿勢が悪くなるばかりでなく、筋肉や骨をかたちづくる大切な時期を逃してしまいます。
適度なスポーツの実践は、子供の心身の健全な成長・発達にとって極めて重要な意義を有していることは言うまでもありませんが、子供の心身の成長や特性に合わない形・方法の運動・スポーツの過度な実践は、成長途中の骨や関節に無理な負担がかかり、成長・発達に障害を残すこともあります。
また、高齢になっても健康な運動器を保つためには、成長期から正常な運動器の発育を助けるとともに、スポーツ障害を予防することが大切であり、学校における運動器検診において運動器疾患及び異常を早期に発見し、整形外科医で適切な治療を受けることが重要です。

学校健診では今までの脊柱側弯症(背骨の曲がり)だけでなく、さまざまな運動器の問題を早く見つけて指導や治療をすることになりました。
ご家庭でもお子さんの姿勢や筋肉・関節の痛みなどの運動器の問題に注意を払っていただき、こどもたちが身体を動かす楽しさを知り、スポーツに親しみ、やがては大人になってもそれぞれに適した生涯スポーツを楽しんでロコモの予防につながればと願っています。